日々坦々

日々の出来事をボヤキつつ、日本が直面している諸問題の根源を追求する





野中広務と創価学会が強引に推し進めた辺野古案

Category: 普天間基地   Tags: 創価学会  普天間基地移設問題  辺野古  野中広務  魚住昭    
昨日、「野中広務 差別と権力」(魚住昭著)を紹介した。

結局、1冊丸ごと読み返すことになった。
最初に読んだ時には気に留めなかったことが、"今この時しかない"というタイミングで蘇った文章を発見してしまった!
普天間基地移設問題で辺野古に決まった背景に、野中広務と創価学会が暗躍していた、という、これまた衝撃的な内容だった。(最近立て続けにこの言葉を使っている)

近年の政治を歪めた張本人は、この野中氏だと思っている。
この政治家は、自身の出自と関係してくるが、世の中の差別をなくしたいと、国家と日本の社会に対して闘ってきた、ことは認める。ただ、そこには、この国をどうしたいのか、という日本の国家観がスッポリ抜け落ち、権力闘争に明け暮れ、最後は自分が志向した権力によって引退を余儀なくされた。

その権力志向たるや、どんなに汚い手を使ってでも、人に何をいわれようが、そこに何ら大義もないにもかかわらず、権力欲のために、あらゆる手を使って謀略に謀略を重ねてきた。

その象徴的な出来事がある。
 93年細川政権が初めて非自民政権として誕生した。東西冷戦構造という古い価値観が崩壊していく中で、世界の流れに乗って日本も変わろうとしていた。言ってみれば、「歴史的・必然的内閣」だった。
野中は、細川総理の情報を新聞社の政治記者から収集し、スキャンダルとしてデッチあげ、国会で質問し、野中と結託したマスコミがそれを煽って、細川総理を失脚させることに成功する。

また、公明党を創価学会の藤井(県議)と後藤組組長との密会ビデオを手に入れ、創価学会を脅して、公明党を政権から引き剥がし、後の自公連立の布石を打つ。

もし、日本の政治に、この御仁がいなかったら、93年からの非自民党政権によって、それまでの日米関係も見直されただろうし、在日米軍も少なくなっていた、かもしれない、と、"たられば"の不毛な論理に陥ってしまっても、あえて言いたくなるほど、日本の政治を歪め、貶めた張本人であると思っている。

本ブログ5/1エントリー≪野中広務元官房長官の機密費暴露発言にはウラがある≫でも、同じようなことを書いているが・・・、何度、言っても言い足りない程である。

既に初版から6年が経ち、文庫本も出ているので、「辺野古・野中・創価学会の関係」の部分をそのまま書き写させていただく。(長文)

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(書き写し開始)

≪1998年7月、小渕内閣の官房長官に就任したとき、記者会見で野中は言った。
「個人的感情は別として、法案を通すためなら小沢さんにひれ伏してでも、国会審議にご協力いただきたいと頼むことが、内閣の要である者の責任だと思っている」
 かつて小沢を「悪魔」「危険な独裁者」と罵り「彼と手を結ぶくらいなら政治家を辞める」とまで言い切った野中がひれ伏すというのだから、誰もがアッと驚くような方針転換だった。
8月23日、野中は高輪プリンスホテルの一室で密かに小沢と会談した。仲介したのは、梶山とともに保保連合の中心人物と言われた亀井である。
「まあ、私はいろいろ今日まで発言してきまして、こんなこと言えた立場じゃありませんけども、ぜひ国難を救うためにお願いしたい」
野中の言葉に、小沢は、
「そんなこといいよ。それより国家が大事だ」
と応じた。亀井の回想。
「二人はバツの悪そうな顔をしてたけど、とにかく、『やあ、やあ』といいながら握手したよ。それで俺が、『じゃ、手を握った以上、自自連立について話を決めましょう』と言って、そのまま二時間ばかり話し込んだ。そこで連立の方向が決まったんだ。俺はとにかく『やあ、良かった。良かった。これで日本は救われる』と言って喜んだ」
 野中が自自連立に動いたのはほかでもない。学会・旧公明党側から「いきなり自民党と組むのは(伝統的に反自民色の強い)学会婦人部などの反発が強すぎて無理だ。ワンクッション置いてほしい」という強い意向が伝えられていたからである。
11月19日、首相官邸で小渕・小沢会談が行われ、自自連立に向けての両党合意が成立した。翌99年1月14日に連立政権が正式に発足し、公明党(98年11月に新党平和と公明が合併)との連立を阻む要因はなくなった。
 1月末から始まった通常国会は前年秋の迷走ぶりが嘘だったかのように政府提出の法案が次々と成立した。5月24日、周辺有事の際に米軍の軍事行動を官民挙げて協力するガイドライン関連三法案が自自公三党の圧倒的多数の賛成で衆院を通過した。
 8月に入ると国旗・国歌法案、盗聴法案、改正住民基本台帳法案など相次いで成立した。いずれも日本の針路を左右する重要法案である。
 発足当初、低迷していた小渕内閣の支持率も次第に上がり、政権を一手に仕切る野中は「影の総理」と呼ばれた。
 公明党は8月の党大会で政権与党入りを決定し、10月には正式に連立政権に加わって衆院議席の7割を占める巨大与党が誕生した。公明党の現職国会議員が語る。
「このころ野中さんと藤井さんは『ノーさん』『フーさん』と呼び合って親しさをアピールすることで、互いの存在感を高め合っていた。藤井さんは野中さんの紹介がなければ自民党議員とは会おうとしなかったから、野中さんを通さなければ学会側と話ができなくなった。つまり全国の自民党議員が各自の選挙区で二万票の学会票をもらうには、野中さんにお願いするしかない。そのことが野中さんの強大な権力の源になったんです」

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普天間基地

野中がつくりあげた自公体制は国政のあり方を変えただけではない。在日米軍基地の75パーセントを抱えて苦悩する沖縄の政治状況も一変させた。
 1995年(平成7年)9月4日に起きた米兵三人による少女暴行事件をきっかけに、住民の抗議運動はまたたくまに広がり、県知事、太田昌秀は9月末、国の米軍用地強制使用手続きに必要な代理署名を拒否する姿勢を明らかにした。
 橋本政権は、こうした沖縄県民の声を受けて海兵隊の普天間基地返還を米国に要求した。米国側は、96年4月に入って、代替施設の確保を条件に普天間「返還」を表明し、両国政府は名護市の辺野古沖に海上ヘリポートを建設することで合意した。
 だが、新たな基地の建設に対する県民の反発は強かった。橋本は大田との会談を重ねながら海上基地受け入れを再三要請するとともに、沖縄の経済振興策を次々提示した。
 翌97年12月21日、海上基地建設の是非を問う住民投票が名護市で行われた。政府側は賛成派の劣勢を覆そうと、港湾整備や市街地再開発などの「振興策」を提示し、地元ゼネコンや防衛施設局の職員たちまで大量動員して戸別訪問させた。
 幹事長代理の野中は現地入りして、その後押しをした。結果は、反対派が投票総数の約三万千五百票のうち53パーセントを占め、賛成派に約二千四百票の差をつけて勝利した。海上基地建設に「ノー」という住民の意思がはっきり示されたのである。
 だが、それから三日後、名護市長・比嘉鉄也は首相官邸に橋本を訪ね、海上基地の受け入れを表明した。比嘉は市長を辞任し、翌年2月の市長選で賛成派が推す前助役の岸本建男が反対派の前県議・玉城義和に約千票差をつけて当選した。
賛成派の中心人物の一人だった県会議員の安里進が語る。
「自公連携の効果が大きかった。約千五百票あると言われる学会票の大半がこっちに来たからね。もともと公明の女性市議は反対運動の先頭に立っていた人だから、住民投票のとき地元の学会は基地に反対だった。ところが市長選では学会本部から賛成に回れという指示が出たらしい。おそらく野中さんが自公連携を働きかけたんだろう」
自民党沖縄県連の会長だった西田健次郎もこう証言する。
「あれは野中さんがやったんだ。沖縄県連では当時は自公路線をとっていなかった。だけど学会が岸本支持で動いているのは感じでわかっていた。自民党本部から『公明批判はするな』という指示もたしか来ていたし、岸本陣営に旧公明党の国会議員も出入りしていたからね。学会中央が野中さんの要請で岸本支持を決め、自公連立に向けた一つの実験をやったんだろう」
 98年11月に行われた県知事選でも自公連携は絶大な威力を発揮した。当初、三選確実と見られていた大田が自民党などが推薦する稲嶺恵一(県経営者協会特別顧問)に約三万七千票の差で敗れたのである。
 学会側は稲嶺支援の条件として衆院沖縄一区(那覇市)の議席を要求し、野中はそれを受け入れた。このため一区から選出された自民党の下地幹朗は2000年の総選挙では比例区に回り、公明党の白保台一が一区で当選した。
 こうして基地撤廃を求める沖縄の民意はねじ曲げられていった。現在、社民党の参院議員をつとめる大田が野中について語る。
「野中さんというのは一番弱い立場の人々に目を向ける政治家でね。特措法改正の際の大政翼賛会発言にはひどく感動しました。日本の政治家でこんなことをまともに言える人がいたのかと。沖縄振興策の問題でも以前からお願いしていた道路公団の沖縄自動車道の料金値下げを約束してくれたり、本島と離島を結ぶ飛行機の運賃を国の負担で値下げしてくれたり、庶民が利用できる部分で配慮してもらったからお礼状まで出したんです」
 だが、そうした野中の姿勢も大田が98年2月に海上基地に反対すると正式表明してからは一変した。その年8月、野中は小渕内閣の官房長官に就任した直後の記者会見で、
「基地問題解決のために真摯に努力してこられた橋本前首相が辞任表明したのに、大田知事が挨拶にこなかったのは人の道に反する」
と言って激しく非難し、大田県政打倒の先頭に立った。大田が言う。
「『人の道』発言を聞いたときには率直に言って、沖縄の人たちを戦争中苦しめて、戦後もまた生命・財産の危機にさらしておく政府のやり方こそ人の道に反すると思いました。小沢一郎さんへの対応などを見ても、野中さんは今日言ったことと明日やることが極端に違う。たたき上げだからそこまでしないと実力者になれないのか。そうまでして自分の立場を強化しなければならないのか。やはり日本の政治はそんな形でしか成り立たないんだろうかと愛想が尽きるような気がしました」
 普天間基地問題は「十五年期限で軍民共用空港を建設する」と訴えた稲嶺が新知事に就任したことで新たな局面を迎えたが、十五年期限に米側が難色を示し、再び暗礁に乗り上げた。
このため2003年1月、自民党政調会長の麻生太郎も、
「十年や十五年で取り壊されるものに6000億円も7000億円もつぎ込むのはいかがなものか。常識的には嘉手納(基地への統合)だ」
と同調する姿勢を見せた。これに野中が、
「(麻生発言は)歴代内閣、関係者、沖縄県民の努力に水を差すものだ」
と猛反発し、党沖縄問題調査会の委員長職の辞任を表明。さらに5月には下地を橋本派から除名するよう申し入れた。橋本政権時代に日米で合意した名護沖移設を実現するため、あらゆる努力をしてきた野中にしてみれば、下地の嘉手納統合案は許しがたいものだったろう。
 だが、嘉手納統合案の背景には米軍基地の縮小・撤廃を求める県民の願いがある。それと同時に、ブッシュ政権による世界的な米軍再配置が進めば、海兵隊の主力は沖縄から撤退し、新たな基地は不要になるという見通しがあった。事実、2004になって、米側が名護沖の海上ヘリポート建設計画の見直しを検討していることが明らかになった。
下地が言う。
「野中さんには(沖縄問題で)一生懸命やってもらったという思いはあります。けれども県民の願いは基地撤去です。基地存続のために(政府が沖縄振興策として)カネを出しているのなら、それは大変なこと。拒否しないといけない。野中さんはどっちなのか。基地存続のための癒しなのか、それとも基地を減らすためにやっているのか。あの大政翼賛会発言はいったい何だったのか…野中さんは自由自在に百八十度変わることがありますからね」≫(P311~317)

(書き写し終了)

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大田氏と下地氏の二人が口をそろえて変幻自在にコロコロ変わると、野中氏を評している。
これは柔軟性があるということではない。原理原則がないのである。いきあたりばったりで、その時に必要な目先のことを「損か得か」でのみ判断し、目的のためならば手段はどうでもよく、たとえ、それが今まで自分が主張してきたことと180度違ったとしても、そんなことは関係ないのである。

創価学会婦人部の抵抗で自民党に抵抗があり、自公政権樹立に障害があるのならば、その「クッション」役としてのみ、天敵である小沢さんを利用し、自身では思っても無いこと、小沢さんの弱み(「天下国家のため」という大義名分)につけ込み、嘘をついてまで自自連立を果たし、公明党が乗ってきたところで、軽々と自由党を切って捨てた。

普天間での野中氏の動きで二つのことが導き出される。一つは、当時の自民党政権の普天間移設は沖縄のためでもなんでもなかったこと。もう一つが、名護市で反対運動の先頭に立っていたという公明の女性市議も、それに同調していた学会員も、池田大作の鶴のひと声で、基地反対から賛成派に180度転換している。

普天間基地の辺野古移設案は、野中を中心とする自民党と創価学会が暗躍し、沖縄県民のことなど考えることなく、政争の具としてかき回した挙げ句に出てきた、自公政権の弊害のタマモノであった。

鳩山さんも結局は、その"いわくつき"の辺野古に政府案として決定ということだが、今回の普天間基地移設問題で一つはっきりしたことがある。

昨年、一国の総理候補が「県外」という公約(小沢氏が言うように本人は否定的だが、れっきとした公約だと考える)を掲げ、政権交代がなされ、総理として真剣に県外を模索してきたが、それでも果たせなかった、ということは、アメリカの意向・宗主国としての力、いいかえれば日本の属国としての弱さと、安保マフィアのパワーの強大さが、いかに各界に浸透しているか、ということがよくわかった。

本ブログでも最終的には、県外・国外移設、また日米関係を根本的に考える上での結論になるだろうと、鳩山さんの真意を確かめながら、推し量ってきた。

このごに及んでも、それは今でも変わりはない。一応、アメリカの議会での予算問題などもあり、鳩山さんとしては現実的な線で決着しなければならなかったが、負担軽減に対しては真剣に考えているはずだ。

今回イレギュラーなかたちで、この普天間問題を取り上げることになってしまった(5月末まで封印していた)が、これについては改めて、松田光世氏のツイート( )を参考にしながら考えていきたい。


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